
野田 武史 所長
税理士法人
野田税務会計事務所所長
著書『医業経営ハンドブック』ぎょうせい(共著)
復興増税を考える
今年の日本経済は3.11に尽きると思います。
未曾有の震災に対するパフォーマンスだけの菅内閣によって、
経済は止まったままです。この不人気内閣の後を受け誕生した野田内閣は、別名増税内閣とも言われるほど、政権公約の段階から増税を掲げ“適材適所”を謳い文句に組閣をしました。
9月12日時点で解っていること
民主党政権の復興に対する考え方は、復興期間は10年としつつ、被災地の一刻も早い復旧、復興を目指す観点から、当初の5年間を集中復興期間と位置づける。
また復旧・復興対策規模については、
集中復興期間5年間の対策規模の推計を
①救助、復旧事業に係る規模(ガレキ処理、生活再建等)10兆円程度
②復興に向けた事業に係る規模(インフラ投資、ソフト事業等)9兆円程度
合計19兆円程度と考えている。
尚、10年間の復旧・復興対策の規模については、少なくとも23兆円程度と見込んでいる。
この集中復興期間(5年間)の対策費19兆円の財源については
①1次、2次補正見合の歳出削減や剰余金で6兆円程度
②子ども手当等の歳出削減と税外収入で3兆円程度
③残りの10兆円を臨時増税で賄う。としている。
野田内閣はこの財源を法人税、所得税の直接税を中心に考えているようですが、以下の点で問題があります。
法人税は景気に左右されやすい税で、平成22年度の法人税収は
7.5兆円ですが、大口納税者である電力会社が原発問題でいずれも赤字になる見通しであること、更に復興需要がまだ見込めない状況では法人税収が更に落ち込む可能性が高いので、財源としては不適当。
所得税は、1,000万円以上の納税者が全体の2%程度と、負担者に片寄りが大きいので、極く一部の納税者に多額の負担をかけることになる。
以上のことから直接税の増税は問題が多いと思われます。
一方、消費税について考えてみますと、消費税は間接税であり、景気に左右されない安定した税収が見込め、消費した額に応じ、各自が応分に負担することになります。
すなわち消費税は国民全体が負担することから、国民全体で復興を支援することになり、財源としては最適と思われます。
政府の消費税増税についての考え方は、社会保障財源にとっておきたいこと、更に、消費税増税を掲げると、2年後の総選挙に勝てないとの思いから、消費税に手を付けない様にしているとしか思えません。
財源問題については以上のように考えますが、実際の復興復旧事業を促進し、早期の経済復興を切に望むものであります。